レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置
機器通称 | MALDI/TOFMS | 保管場所 | E棟1F計測センター |
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メーカー | (株)島津製作所 | 型式(規格) | Kratos AXIMA-CFR plus |
概 要
本装置は、試料成分の質量を測定するレーザーイオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI/TOFMS)である。
MALDIとは、Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization(マトリックス支援レーザ脱離イオン化法)の略称である。MALDIにおけるサンプルは多量のマトリックス(Matrix)と均一に混合された状態にある。マトリックスは、紫外光である窒素レーザ光(波長=337nm)を吸収し、熱エネルギーに変換する。この時、マトリックスのごく一部(最表面~100nm)が急速に(数nSec)加熱され、サンプルとともに気化される。田中耕一氏はこの手法の発見により2002年ノーベル化学賞を受賞した。
TOFMSとは、Time of Flight Mass Spectrometry(飛行時間型質量分析法)の略称である。様々の大きさの正イオンがサンプルスライド(Sample Slide)上で発生する。サンプルスライドと接地グラウンド(Ground)の間にはV0の電位差があるので、イオンは検出器方向に引き出される。引き出し後の各イオン速度vは、エネルギー保存の法則より求められる。ここで電位差V0は、どのイオンに対しても一定であるので、m/z値が小さい(軽い)イオンほど高速でドリフト空間(Drift Space)を飛行し、検出器(Detector)に到着する。このように、質量電荷比m/z値の違いでイオンの飛行時間が異なることを利用して質量分析を行う方法を「飛行時間型質量分析法」(TOFMS)と呼ぶ。
基本性能
リニアモード
- 測定質量数範囲:1~500,000 Da
- 質量分解能:4,000
- 検出感度:5 fmol
- 質量数精度:100 ppm
リフレクトロンモード
- 測定質量数範囲:1~60,000 Da
- 質量分解能:20,000
- 検出感度:5 fmol
- 質量数精度:10 ppm