沿革と概要
福岡工業大学は、従来より情報系先端技術の教育と研究に力を傾注してきましたが、特にその分野に関する研究の発展に多大な貢献を行ってきた施設が本研究所です。
本情報科学研究所は、マルチメディア時代を視野に入れた情報系研究分野の広範囲な領域をカバーできる研究所として、昭和63年10月に設立された言語情報工学研究所が、平成10年4月に発展改称した施設です。
近年、コンピュータとネットワークの融合したインターネットが実現され、21世紀の高度情報化社会においては、それらを基盤としたマルチメディアに関する研究が重要になってきました。そこで、従来からの自然言語や人工知能の研究の他に、マルチメディアを支える技術である音声と画像メディア処理およびそれらの情報メディアを伝送するための情報ネットワーク技術に関する研究に重点を置いた研究所として再生することになりました。
本研究所は、知能メディア部門、システム科学部門および情報応用部門の3部門からなり、各研究部門には研究員が公募によって配属され研究費が援助されます。合わせて、本学の教員と学生は総合研究機構の共同利用機器設備を十分に活用でき、多くの優れた研究発表を行い、高い研究水準を保つことが可能な環境が用意されています。
情報科学研究所は、主に情報系先端技術の研究を行う全学共同利用の施設です。
本研究所の特徴である情報メディア部門では、コンピュータに人間の言葉を理解させる自然言語理解やコンピュータに推論や学習を行わせる人工知能およびそれらを応用した知能ロボットの開発等が行われています。また、マルチメディア時代に向けてのバーチャルリアリティ(仮想現実)や3次元コンピュータグラフィックスおよび画像圧縮等の画像情報処理に関する研究も行われています。
これらの研究は、21世紀の高度情報化社会において役立つための一歩先を行く情報系先端技術です。
本研究所の主要な役割は本学の研究活性化で、それを目的とした研究員への研究費援助を行うとともに、国際交流活動、国際会議、各種シンポジウムおよび学術講演会等への人的・資金的支援を行い、多くの実績を挙げてきました。
もう一つの重要な役割は地元産業界への貢献で、産業界への共同研究プロジェクトの提案や地域産業からの委託研究の受託を積極的に推進することです。本研究所に蓄積された多くの学術研究成果と豊富な研究設備環境を、産業界の情報系技術者・研究者に解放し、地域社会からの要請に柔軟に対応できる研究所として益々発展する予定です。