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   プロジェクト3

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   研究担当者

  3−1 川上教授

  

  3−2 大崎教授

  

 

物理化学的、並びに、生物化学的手法を利用した環境負荷物質センサーの開発研究

3−1.固定化生体触媒電極反応によるバイオセンサーの開発研究

(研究の目的)

 微生物と電極との間の電子移動は、一般的には起こりにくいが、酸化還元メディエータを介することによってその効率を高めることができることが知られています。本研究は、排水中の有機物、特に環境汚染物質に対して優れた基質酸化活性を示す微生物、あるいは、その微生物から抽出・分離される分解酵素と、適当なメディエータを組み合わせ、印加する電極電位によって触媒反応を促進させる電極触媒反応を利用した有機物の低減化技術の開発を目的とします。さらに、同じ原理を応用してBODや環境汚染物質濃度をモニタリングするためのバイオセンサ−の開発を行なうことを目的とします。初期の実験としては、環境汚染物質のモデル物質として2,4-Dを、微生物としては、右下図の霊芝を選び、検討を行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3−2. 金属コロイドSERSスペクトルを利用した高感度センサーの開発研究

(研究の目的)

 表面増強ラマン散乱法(surface enhanced Raman scattering ; SERS)とは、金や銀などの金属ナノ粒子の表面に吸着したある種の分子のラマン散乱強度が、その分子が液体中に存在するときよりも著しく増強(103~6程度)されることを利用した分析法です。SERS は、

@感度が極めて高い。

A選択性が高い。

B金属表面に吸着した分子の蛍光がクエンチされ、これまで蛍光に隠れて見えなかったラマン散乱がはっきり観察される。

といったメリットがあります。Aの選択性とは、同じ分子で、溶液中に存在するものと金属表面に吸着したものとの選択性と、吸着した分子の間でも、吸着部位によるラマンバンドが特に強く増強されるという2点を意味しています。これらの特長を生かして、液相と固相の界面の現象をin situに観察でき、金属表面での触媒作用や電極表面での化学反応機構などの研究に用いられています。SERS 法は、界面やナノ空間における微視的環境分析や分子集合体の構造解析などに力を発揮できると期待され、今後は、微量環境物質の高感度分析、酵素イムノアッセイ、生体物質の細胞外イメージング、表面界面における反応素過程の観察などへの応用が考えられています。

 本研究は、このSERSを利用して環境汚染物質の高感度センサーを開発することを目的としています。